夏祭りに関する素朴な疑問
●なぜお祭りには山車が出てくる?●
夏祭りの多くは、災いを起こす霊魂を村の外へ送る祭礼に由来しています。祭礼のなかで人びとは霊魂を怒らせないように、移動用の乗り物を用意して、丁重に村の外へと送り出しておりました。ですから伝統的な夏祭りには、山車が登場するものが多いのです。とはいえ、もともと霊魂の乗り物は質素な神輿だったといわれており、今日のように大掛かりで豪華なものではありませんでした。しかし、人々の競争心とともに、神輿は徐々に装飾が加えられていき、いつしか祇園祭に見られるような大掛かりな「山車」へと変化していったのです。
ちなみに山車の呼び名は、地域によって異なっており「楽車」「山鉾」「花車」「壇尻」「屋台」などと呼ばれることもあります。なお、「山車」という漢字の由来としては、巨大な外見から「山」、移動可能ということから「車」があてられたのだろうといわれています。
●「わっしょい!」の語源はなに?●
お祭りによっては、「わっしょい!わっしょい!」という威勢の良いかけ声とともに、山車を担いでいるところもあります。この「わっしょい」ということばの意味は何なのでしょう?真相を知りたいところですが、手がかりとなる記述は見つかっておらず、現時点では伝えられている説では、「和を背負う」というような言葉が、変化してできたものではないかといわれています。●夏祭りにはなぜ浴衣を着るの?●
浴衣のルーツは、平安貴族が入浴時に着た衣服だとされています。当時のお風呂は今でいうサウナのような蒸し風呂で、流れ出る汗を吸収するために、湯帷子(ゆかたびら)という、麻でできた簡単な着物を着ていたのです。江戸時代に銭湯が普及すると、入浴中に着用していた湯帷子は、入浴後に着るものとなり、現在の浴衣へと変わっていきました。そして江戸時代後期には、夏の装いとして広く浸透し、人びとは夏祭りにも浴衣姿で出かけるようになりました。このような風景は、夏祭りの心象風景として人びとの心に深く残り、洋服が日常着となった今日でも、夏祭りの衣装に用いられているのです。
●夏祭りは、今も昔も出合いの場所?!●
昔は、盆踊りに出かけることが未婚の男女がお互いを知る機会のひとつでした。盆踊りは、かつてはお盆の行事でしたが、やがて分離して盆踊り単体でおこなわれるようになりました。盆踊りはほかの村の住民でも参加することができ、その際には娘だけではなく、同じ村の男性も同行するのが習わしでした。そして、盆踊りに参加するために同行しているうち、男女は次第に仲良くなっていったのです。このように昔の男女も、盆踊りでの交流をきっかけに、恋愛そして結婚へと発展していったのです。